ビジネス〈勝負脳〉

林成之さんの著書、「ビジネス〈勝負脳〉脳科学が教えるリーダーの法則」を紹介します。本の帯には、『あの北島康介選手に「勝負脳」を伝授した著者が、人間の限界、130%の力を引き出す方法を徹底解説!』と書いてありました。130%の力が引き出せる方法って、どんなものだろうと思い、本書を手にしました。


ビジネス<勝負脳> (ベスト新書)

ビジネス<勝負脳> (ベスト新書)


人間の脳は、「生きたい」「知りたい」「仲間になりたい」の3つの本能を持っているそうです。この3つの本能を満たすために、人間は行動し、社会を作りあげてきたのです。「生きたい」は「家庭」を、「知りたい」は「教育」を、「仲間になりたい」は「会社」というシステムを生み出しました。「家庭」「教育」「会社」がバランスよく循環していくことが、脳の欲求に沿ったもっとも望ましい形になるといことです。


著者が定義している「勝負脳」とは、「言語能力、音感能力、運動能力、計算能力、理論的能力、空間認知能力(空間認知中枢の機能)などの表現知能に加えて、その知能を考えて活かす思考知能、それに表現知能と思考知能をつなげるもう一つの、人間性、人となりの能力である性格知能の三つを一本化させて、人間の持つ才能や能力を最高に発揮する脳を意味する」そうです。


リーダーとしての「勝負脳」を鍛えるためには、次の6つの能力が必要とのことです。
1)自分に勝つ力
2)理解する力
3)指導者としてのカリスマ性
4)独創的思考能力
5)人間力
6)過去の体験や訓練を活かす力

この本では、この6つの能力を鍛えるために、どうすれば良いかがそれぞれ説明されています。例えば、「自分に勝つ力」では、この力をつけるために、次の5つの条件をクリアしなければならないそうです。
一.自分のチームの弱点を明確にして期限つきで対策を立てる
二.つねに自分の限界に挑戦することができる
三.目的と目標をつねに区別して作業する
四.目的のためには自分の立場を捨てることができる
五.決断・実行を早くする


他の4つの能力についても、このように何をクリアしなければならないかが説明されています。

途中途中にコラムがあったり、自己チェックテストや自分の現在の「勝負脳」の状態を確認できるテストがあったりと、楽しみながら読むことができる本です。脳の本質を知り、ビジネスにも活かしていくヒントを与えてくれる本だと思います。