なぜ日本は同じ過ちを繰り返すのか

これから、本を山積みにしようとしている書斎の中の広い机を前にして、椅子にもたれながら綴る読書本の紹介です。


今回紹介する本は、松本利秋著、「なぜ日本は同じ過ちを繰り返すのか 太平洋戦争に学ぶ失敗の本質」です。


日本の組織としての体質は、太平洋戦争を経験したにも関わらず、昔から変わっていないという趣旨の本です。



先日、読んだ「ものつくり敗戦」が技術面からのアプローチとすれば、これは組織論的アプローチで、日本特有の体質を浮き彫りにしたものだと思います。


日本特有の精神構造、結局は責任回避と先送り体質が常に基本にあるということを本書を読むと改めて認識できると思います。


官僚にしても企業にしても、やっていることは依然として変わらない。


何か、問題が起きたときに騒ぐが、何か起こらなければ先送りしてしまう。


本書を読んで感じたのは、日本の原子力行政。


安全など担保されていないのではと思えてきました。


それでなくても、いつ地震が起こるかわからない、その確率が高い国で、あの原子力発電が本当に必要であるかは、国民一人一人がよく考えなくてはいけないと思えてきました。


何か、あってから言うのは、それは我々も先送りした代償になってしまいます。


そんなことを感じさせてくれる本でした。


本書と「ものつくり敗戦」は合わせて読むことをお薦めします。