これから、本を山積みにしようとしている書斎の中の広い机を前にして、椅子にもたれながら綴る読書本の紹介です。
今回紹介する本は、山田日登志、片岡利文共著、「常識破りのものづくり」です。
本書は、2001年5月に放送されたNHKスペシャル「常識の壁を打ち破れ〜脱・大量生産の工場改革」が単行本化されたものだそうです。
- 作者: 山田日登志,片岡利文
- 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
- 発売日: 2001/12/26
- メディア: 単行本
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前半部分は、この放送に携わったNHKディレクターの片岡氏が、”再建屋”山田コンサルタントの鳥取三洋電機での改善模様を、工場に人々の葛藤なども交えて、描いています。
後半部分は、山田氏が自らの”再建屋”になるまでの生い立ちと、”再建屋”になってからの活動経緯、実績、そして心構え等を述べています。
この部分は、ものどくりに携わっている人は、是非読んでもらいたいと思いました。
いくつか胸に刺さるような至宝の表現があります。
そして最後の山田語録もこれも至宝ですね。
私は、「同じことを教えたら同じ結果が出るという前提で、マニュアルがつくられる。しかし、マニュアルができたとしても、全員が同じ結果を出せるわけがない。にもかかわらず、経営学の中では、マニュアルがあると同じことができるということになれている。それはまやかしである。」という部分にかなり共感してしまいました。
また、「頭につくことはわかること、身体につくことはできること、心につくとうことは続けられること」は気に入りました。
あと、生産技術に携わっていた私にとっては、
「開発技術:とは、ある発見や発明を繰り返しできるようにする技術。
「製造技術」とは、一番安くできるようにする技術。
「生産技術」とは、この開発技術と製造技術を足したものである。
の語録は、当時、その想いを持って業務に携わっていたので、ジーンとくるものがありました。
製造現場を舞台に、がんばっている人にエールを送る一冊だと思います。
初版が2001年に出版されていますが、決して古くはなく、今でも十二分に通用する内容です。