国家のエゴ

これから、本を山積みにしようとしている書斎の中の広い机を前にして、椅子にもたれながら綴る読書本の紹介です。


今回紹介する本は、佐藤優姜尚中著、「国家のエゴ」です。


この本の凄いところは、普通の人ならばあまり考えてこなかったことをいきなりつきつけて、それを解き明かしていくところではないか。


冒頭に2つの問が投げかけられる。

①日本で戦争をすることを決めるのは誰なのか

②国民を兵士として、あるいは戦争支持者として動員するには、人間の精神にどのような働きかけを行うのか


国家のエゴ (朝日新書)

国家のエゴ (朝日新書)


佐藤優は「知の巨人」と言われているが、その知識量だけではなく、インテリジェンスの世界に身を置いていたこともあり、氏の洞察力にはあっとするほど深いモノがあるし、モノの見方に対する着眼点へ示唆に富んでいる。


本書でも、国民を戦争へと駆り立てる「手法」と「思想」を分析し、説明してくれている。


安全保障関連法案で騒がれている中、まさにタイムリーな情報提供及び我々へのモノの見方の示唆ではないだろうか。


それにしても、佐藤優の執筆量は膨大なものと感心してしまう。


書店では至るところ何冊もの著書が並べられている。