資本主義の終焉と歴史の危機

これから、本を山積みにしようとしている書斎の中の広い机を前にして、椅子にもたれながら綴る読書本の紹介です。


今回紹介する本は、水野和夫著、「資本主義の終焉と歴史の危機」です。


本書は、誰でも会社や家庭などで日々の生活をしているときに、ふと感じる将来への漠とした不安や疑問に答えているのではないかと思いました。


資本主義の終焉と歴史の危機 (集英社新書)

資本主義の終焉と歴史の危機 (集英社新書)


冒頭の部分で「アフリカのグローバリゼーション」と言う言葉が出来てきます。


これを見て、思い出したのが15年前ぐらいでの会社の中での会話です。


日本の生産拠点が海外へ出ており、技術の空洞化が盛んに言われていた頃、私は会社で生産技術を担当していました。


先輩とこれからの生産技術、生産機械について語り合っていたのですが、そのとき、「賃金の安いところへ進出するならば、きっとそのうちアフリカにもいくんだろうなあ・・・」と話合った記憶が蘇ってきました。


「この時は、もう行きつくところが無くなったら、猿がオペレーションできるような機会が必要かも・・・」と話合っていたのですが、要は雇用機会を奪ってしまうことを考えていたのですね。


本書は、資本主義とはどのようなものであるかという、その本質がわかりやすく書いてあると思います。


また、歴史的背景も踏まえ、世界経済の現状も踏まえ、資本主義が終焉へと向かっていることを見事に語っています。


著者も、その対応まではわからないと述べていますが、我々もこの状況を素直に認識し、その対応を考えていかなければならないのかと感じました。


衆知が必要なことだと思います。


2014年の「週刊ダイヤモンド」のベスト経済書1位に輝いた本だけあり、内容も面白いですし、わかりやすい本です。


一読をお奨めします。