アジア実力派企業のカリスマ創業者

これから、本を山積みにしようとしている書斎の中の広い机を前にして、椅子にもたれながら綴る読書本の紹介です。


今回紹介する本は、近藤伸二著、「アジア実力派企業のカリスマ創業者」です。


日本の電機業界を筆頭に、韓国、中国や他のアジアの国からから追い抜かれ、どん底に落ちているかのような感じで、マスコミに取り上げられている日本の製造業。


本書の帯のタイトルには、「彼らが成長し、我らが衰退する理由」と書かれていた。なぜ、彼らが成長したのかを知りたくて、本書を手に取りました。



カリスマ創業者の一番手として取り上げたのは台湾の鴻海精密工業(ホンハイ)を率いる郭台銘(1950年生まれ)。


この間JIMTOF2012の基調講演で、FOXCONNの話を聞いたので、興味を持って読むことができた。


他に取り上げられている創業者としては、台湾のパソコンメーカー宏碁(エイサー)の施振栄(1944年生まれ)、世界最大のファウンドリー(半導体受託生産会社)台湾積体電路製造(TSMC)の張忠謀(1931年生まれ)、世界第2位の通信機器メーカー、中国の華為技術(ファーウェイ)の任正非(1944年生まれ)、電池メーカーの比亜迪(BYD)の王伝福(1966年生まれ)の4人を取り上げている。


そして、最終章の第6章では、東南・南西アジアのカリスマ創業者たちということで、アジア太平洋最大のLCC(格安航空会社)エアアジア(マレーシア)のトニー・フェルナンデス(1964年生まれ)、アジア版「水メジャー」のハイフラックス(シンガポール)のオリビア・ラム(1960年生まれ)、バイオ医薬品大手のバイオコン(インド)のキラン・マズムダル・ショウ(1953年生まれ)の3人を取り上げています。


ここに取り上げられている創業者に共通しているのは、自分たちの目標が明確であること、そしてそれを成し遂げるバイタリティがあることだと思います。


このあたりは日本の大企業のサラリーマン社長では真似のできないことかもしれません。


日本の中小企業のオーナー社長の方がチャンスはあるかもしれません。


そのためには、明確な目標と差別化要素をどのように持つかを考えて、バイタリティーを持って、グローバルな視点で取り組むことが必要です。


中小企業診断士もそのあたりをきちんとアドバイスしたり、サポートできなくてはいけないなとも思いました。