生産系コンサルタントの道 Wライセンス取得の奨め(8)

さて、今回からは、中小企業診断士第2次の受験に向けて、受験のポイントについて書きたいと思います。


ここでは、自分の受験の時に気づいたことや実際にやったこと、考えたことを中心に書きますので、参考にしてください。



1.中小企業診断士第2次試験の位置づけ

まずは、この試験の位置づけに着目してみます。中小企業診断士2次試験案内には、試験の目的及び方法として、以下のことが書かれています。


中小企業診断士試験は、「中小企業支援法」第12条に基づき実施されます。


第2次試験は、「中小企業診断士の登録等及び試験に関する規則」に基づき、中小企業診断士となるのに必要な応用能力を有するかどうかを判定することを目的とし、中小企業の診断及び助言に関する実務の事例並びに助言に関する能力について、短答式または論文式による筆記及び口述の方法により行います。


(1)筆記試験:中小企業の診断及び助言に関する実務の事例について、筆記の方法により実施します。


(2)口述試験:筆記試験において相当の成績を修めた方を対象に、口述の方法により実施します。


中小企業診断士第1次試験が中小企業診断士となるのに必要な学識を有するかどうか判定するのに対して、中小企業診断士第2次試験では必要な応用能力を有しているかどうかを判定するようになっています。つまり、1次試験試験では診断士に必要な知識があるかどうかを判定し、2次では、課題に対して、その知識群を的確に使いこなせるかどうかを判定しているということを認識した方が良いと思います。



では、その応用能力は何かというと、「経営の診断・助言ができる」最低限の能力と考えれば良いのではないでしょうか。中小企業支援法の第11条には、中小企業診断士として、以下のような条項が書かれています。


第十一条  経済産業大臣は、中小企業者がその経営資源に関し適切な経営の診断及び経営に関する助言(以下単に「経営診断」という。)を受ける機会を確保するため、登録簿を備え、中小企業の経営診断の業務に従事する者であつて次の各号のいずれかに該当するものに関する事項を登録する。


一  次条第一項の試験に合格し、かつ、経済産業省令で定める実務の経験その他の条件に適合する者


二  前号に掲げる者と同等以上の能力を有すると認められる者で、経済産業省令で定めるもの



個人的な解釈になるのですが、応用能力とは、その状況において知識をいかに使えるかということだと考えています。


ですから、2次試験においては、単に知識を披露するのではなく、何故その知識を、この場面で使うのか、その理由が問われるのです。



いかがですか?中小企業診断士第2次試験の位置づけを認識していただけたでしょうか。


「こんなもの知らなくても」と思う方がいらっしゃるかもしれませんが、これは大事なポイントだと私は思います。


何を言おう、私もこの認識が甘かったために2次試験では、何度か苦杯を舐めさせられました。
何事においても、そうだと思うのですが、何を求められているのかをきちんと認識していないと、方向違いの方に精力を費やしてしまったり、学習機関での授業や通信教育、模擬試験においても自分の認識と教える側の認識がづれているために、本人としては納得できないことが出てくると思います。


2次試験においては、何が求められているかを、ここできちんと理解していただければ幸いです。


【ポイント】
「2次試験では経営診断・助言ができる能力が求められている」