コストダウンの進め−その12(最終回)−

前回から、だいぶ日を開けてしまいました。申し訳ありません。


前回は生産現場でよく使われるコストダウン手法として、QC、IE、VEを対比してみました。
今回は、その中の一つであるVEについては、次回に詳しく説明することにします。


【VEとは】
最低の総コストで、必要な機能を確実に達成するため、組織的に製品または機能の研究を行う方法のことです。

これには、以下に示す基本式があります。

【基本式】価値(V)=機能(F)/コスト(C)

価値は、機能とそれに対するコストの大小で価値の大きさが測られるということです。


ここで、価値を上げるための、機能(F)とコスト(C)の組合せとしては次の4つが考えられます。

[機能(F),コスト(C)]:
1)[(→),(↘)]、2)[(↗),(→)]、3)[(↑),(↗)]、4)[(↗),(↘)]


このように機能とコストを検討することによって、最も合理的で経済的な手段を選び出す(簡単で儲かる方法を選ぶ!)のです。


【VEはどうやって進めるのか?】
VEを進めていく基本ステップと各ステップの詳細手順は次の通りです。

ステップ1:対象選定
 (1)方針と評価
 (2)対象の選定
 (3)プロジェクト計画
ステップ2:機能定義
 (1)情報収集
 (2)機能の定義
ステップ3:機能評価
 (1)機能の評価
 (2)機能へのコスト配分
 (3)価値の評価
ステップ4:アイデアの発想
ステップ5:アイデアの具現化
 (1)アイデアの具現化
 (2)テストと証明(評価)
ステップ6:提案
 (1)提案
 (2)審査
ステップ7:実施(フォローアップ)

問題解決を進めていく上で、以上の7つのステップがあるわけです。


今回が最終回です。今まで述べてきたことをここで簡単にまとめておきます。

【まとめ】
1.調達品マトリックスで、自分の会社のタイプを知ろう
(天下人、職人、孤高の人、凡人)(ライト、レフトタイプ)
2.Rグループの企業は、技術提案型営業の強化
(大きな企業は結構、設計部隊が非力になっている)
3.Lグループの企業は、Rグループへの比率を高めると共に、取引先購買部門を囲い込もう
4.食い込むなら早い段階で!(機能・設計試作段階)
5.御社のオペレーションも土台をしっかりとしよう
  (現場力を強化せよ!)


中小製造業は、苦しい経営状況のところが多いことと思います。自社にコストダウンを取組み、御社が持っている技術的なノウハウを活かして営業および生産の展開を是非とも進めて下さい。


とびとびではありましたが、長い間お付き合いして頂きありがとうございました。