コストダウンの進め−その8−

今日からは、御社がどのようにコストダウンを進めていけば良いかについて述べていきます。


【コストダウンの意義】
まず、基本的なところですが、「なぜ、コストダウンはやらなくてはならないのでしょうか?」。これは、経営者の皆さん方にお聞きしているというより、皆様方の会社で働く従業員の方々に問いかけていると考えてください。


実際に、コストダウンを行うための様々な創意・工夫は現場サイドから上がってくることが望ましいです。では、そのアイデアを積極的に出してもらうためには、従業員の方々に、「コストダウンを進めなくちゃいけないんだ。」という気持ちになってもらわなければなりません。
そのためには、なぜ、コストダウンをするのか、その意義を従業員のみなさんに理解して頂く必要があると思います。


ここからは、かなり教科書的な部分となってしまいますが、なぜ、コストダウンが必要なのか、その意義について説明します。


≪1)利益って、どうやって確保するの?≫
モノを売って利益を確保するには、次の3つの方法が考えられます。

1)製品価格の値上げ:利益を上乗せした分、製品価格を値上げすればその分は利益は確かに増えます。しかし、これは、値上げした製品が売れればの話です。今のご時世、周りを見ても「価格下げました」と売る側は謳い、買う側は、「1円でも安いものを」という中では、この方法が通用しないことは、もうお分かりですよね。


2)売上数量の拡大:ならば、販売数量を増やすことで、利益を拡大することも考えられます。しかし、自分たちが売るのに四苦八苦しているような状態で、同じようにモノを造り販売しなくてはならない大手メーカーだって、社内事情は同じことです。したがって、この方法も実現の可能性は低いと考えておいた方がよいでしょう。


3)発生原価の低減:これは、材料費、労務費、その他経費等の費用を削減することで、利益の幅を広げようとするものです。この方法が優れているのは、自社の努力で達成できる点です。前述の2つの方法は他者がこちらの想定してくれた通りに動いてくれることが必要となります。ですから、発生原価の低減=コストダウンが必要なのです。


次回も引き続き、コストダウンの意義について述べる予定です。