IoTとは何か

これから、本を山積みにしようとしている書斎の中の広い机を前にして、椅子にもたれながら綴る読書本の紹介です。


今回紹介する本は、坂村健著、「IoTとは何か 技術革新から社会革新へ」です。


「IoT」と言う言葉、最近よく耳にします。


どんな新しい技術なのかと思う方もいると思うが、「どこでもコンピューター」や「ユビキタス」という用語で語られていた技術が実はIoTと同じ概念を持っているということだ。


本書は、TRONの開発者である著者が、「IoT」として語られる前から、どのような技術が展開されているのか紹介し、そして日本で展開していくための重要なポイントや今、どのようなことが行われているのかなどを解説しています。



技術的には可能でもそれをオープンにできるかどうかは社会的な問題で、日本人はそれが不得手であると著者は述べています。


そのため、どうしたも囲い込み戦略に陥ってしまう傾向にあるという指摘は、なるほどなあ・・と思いました。


法的整備についても、ネガティブリストの欧米法とポジティブリスト大陸法の違いから、なぜ日本は展開が遅いのか説明しており、納得性が高いです。


技術研究開発や社会制度設計、ビジネスでの展開なども様々な実例を挙げて、説明しているのでわかりやすいです。


IoTの現状を知るには、最適の一冊だと思います。