これから、本を山積みにしようとしている書斎の中の広い机を前にして、椅子にもたれながら綴る読書本の紹介です。
今回紹介する本は、遠藤功著、「競争力の原点」です。
本書は2009年末に出版されたものです。
リーマン・ショック後の日本がいかに立ち直り、混迷から脱出するかについての指南が書かれています。
- 作者: 遠藤功
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2009/12/17
- メディア: 単行本
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ポイントは、規模を追うような「体格」を鍛えていこうとするのではなく、元来日本企業の持つ強みを活かせるように経営の「体質」を改善していこうというものです。
安価なものに走るには体格が必要だけど、中国、ブラジル、ロシアあんどのようにもともと国内に大きな市場規模を持つ企業は、最初からその規模に対応していこうとしているので、それを後追いするには日本には勝ち目はない。
むしろ、日本の製品やサービスの品質の良さに加え、情緒的機能や付加サービスを加えていくことでプレミアムなものを提供していくことが日本の目指すべき経営の方向だと述べています。
そのために、「信条」「人材」「顧客」等の観点からの方向性を示唆する内容になっています。
海外に出て、改めて日本人の特性を理解すると、この方向は間違っていないとは思います。
ただ、マーケティング力などが乏しい中小企業がどのようにその存在をアピールしていくかが、課題になるのかなと思いながら本書を読み終わりました。