新型出生前診断と「命の選択」

これから、本を山積みにしようとしている書斎の中の広い机を前にして、椅子にもたれながら綴る読書本の紹介です。


今回紹介する本は、香山リカ著、『新型出生前診断と「命の選択」』です。


久々の香山リカさんの本です。


昨日帰国する飛行機の中で読みました。



結構、内容は重いです。


遺伝子検査などの医療検査技術の進歩によって、病気などの発症の可能性や胎児の異常性などが判ってくるようになっているそうです。


そのような検査結果が出た時に我々一人一人はどのような選択をしなくてはならないのだろうかという問題提起の本だと思います。


最初、読んでいるときは著者特有のどっちつかずの中庸的な意見を述べている本だと思いましたが、読んでいるうちに言いたいことはなんとなくわかってきました。


患者に治療の方向性を判断させる医師というのは、個人的には理解しがたいです。


何か不慮の事態が発生した場合の責任回避的な意味があるのかもしれませんが、医学知識が乏しい一般の人が頼るべき人物が医師であるし、患者はその専門性に委ねていると思うのですが、判断は患者の意思なのかなという点は疑問を抱いてしまいます。


書いてある内容は、興味本位のところから出発したようにも見えますが、投げかけているテーマは我々も一人一人受け止める必要があるべきものなのかなとも感じました。


興味ある方は読んでみてください。