ツキの波

読書本の紹介です。竹内一郎さんの「ツキの波」です。


この本の冒頭。「運という言葉を持っていない言語はない。何がしかの現象、傾向がこの世にあって、それを伝達しなくてはならない必要性があるから、その言葉は生まれ、世界中に定着していったのである。」


運は、どこにでもあるのだ。それを人は運と読んだり、ツキと言ったりしている。しかし、人はツキを制御することはできない。


しかし、世の中は気得な人がいる。ツキを支配や制御することはできないが現象はあるのだから、利用できないだろうかと誰よりも深く考え、語り続けた作家がいる。
麻雀小説で一時代を画し、雀聖と呼ばれた阿佐田哲也氏である。


ツキの波 (新潮新書)

ツキの波 (新潮新書)


この本は、著者が阿佐田哲也氏が生涯をかけて語り続けてきた「ツキ」というつかみどころのないものについて考え述べている、その中から、我々が「ツキ」とどう付き合っていくかを学び取る本です。


私自身、参考になったのは、「無理して戦わない」、「勝てない相手とは戦わない」、「戦局不利な場合は、戦わないようでツキを変える戦い方をする」という勝負に対しての姿勢であろうか。


普段は面と向かって、考えるテーマではないかもしれないが、冒頭に書いたようにどの言語にもどうような意味の言葉があるのである。もう一度、自分の運やツキを考える上でも、参考になる本ではないでしょうか。