これから、本を山積みにしようとしている書斎の中の広い机を前にして、椅子にもたれながら綴る読書本の紹介です。
今回紹介する本は、渋谷高弘著、「中韓産業スパイ」です。
技術情報や営業秘密などの企業の持つ極秘情報について、近年日本が被害にあった内容から話はスタートします。
韓国ポスコの新日鉄住金の方向性電磁鋼板の技術窃盗や韓国ハイニックスのNAND型フラッシュメモリーの技術流出事件などだ。
- 作者: 渋谷高弘
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2015/11/10
- メディア: 新書
- この商品を含むブログ (1件) を見る
これらは、かなり有名なものだ。
また、日本が技術供与した新幹線技術が中国により米国特許申請されたことやデンソーの話などは中国絡みのもの。
他に野村証券内で開発したシステムの米国人開発者が絡む知財権の問題など、多くの企業の技術、知財に関して発生した問題が事例として説明されている。
これらの件を踏まえて、今まで日本が産業スパイ、企業からの技術流出に関して法的整備をきちんと行うことになり今年2016年より施行されるらしい。
この法整備についての経緯、そして今後、企業としての技術情報の流出防止をいかに行うかまで述べてあります。
知的財産管理や技術情報流出防止に関して企業で携わっている方や興味ある方にはお奨めのビジネス書です。
海外の人材流出について、韓国では50代、60代が多いが中国では若い世代の採用が多いというのは、それぞれの国の特徴が顕著に出ていて面白かったです。
そして、その他のアジア諸国でも技術人材が多く流出していることも知ることができました。