この命、義に捧ぐ

これから、本を山積みにしようとしている書斎の中の広い机を前にして、椅子にもたれながら綴る読書本の紹介です。

 

今回紹介する本は、門田隆将著、「この命、義に捧ぐ 台湾を救った陸軍中将根本博の奇跡」です。

 

 

この本を読むと、学校で習った日本史が実に空虚であったかと思う。

 

明治以降の現代史の部分を時間を取り、きちんと教えている学校はどのくらいあるのだろうか。

 

日本という国の歴史を学びながら、愛国心が養われていくのが理想だと思うのだが、今の教育はそれにほど遠いものなのかもしれない。

 

本書は、終戦からまだ年月も浅いときに、台湾を守るために立ち上がった男、根本博についての本である。

 

終戦直後、内蒙古の日本軍司令官・根本博陸軍中将は、終戦直後、在留邦人4万、配下の軍人35万を従えて、本国からの武装解除の命にあえて反してソ連軍と戦いながら、北京・天津を経由して日本への帰還を無事果たしたそうだ。

 

道中、助力してくれたのは蒋介石の国民党軍。

 

終戦後、天皇制の維持を助言してくれたのも蒋介石。これで、日本の国体が守られた。

 

この2つのことに根元博は、恩義を感じていた。

 

そして、中国では、1949年、国共内戦に敗れた国民党軍は台湾に渡り、押し寄せる共産党軍と廈門・金門島を挟んで対峙するようになる。

 

なんとか、蒋介石への恩義に報いたい、その一心で根元博は、密航という手段で台湾に渡り、その思いを果たそうとするのだ。

 

こんなこと日本史の時間に教えてもらったことがなかった。

 

また、この本を読むと、同じように統治されながら、韓国と違い台湾がなぜ親日国なのかも少し理解することができた。

 

内容が熱い、良い本です。