コストダウンのポイント(5) 業界慣習、商流を知っておくこと1

まず、サプライヤーとの取引では、コストダウンの交渉をすることになる。


ただ、これは単に、「コストダウンして欲しいんだけど・・」とか「〇〇ぐらい下らないか」では、なかなか下がらないのが実情ではないだろうか。


むしろ、大きなコストダウンがやりやすいのは、新製品開発や新工法導入時だ。


これは、製品設計での工夫、生産性向上などによるコストダウン効果も得られるが、新たな業者選定のきっかけにもなる。


これに関しては、個人的に思い出がある。


新しい部署に異動し、そこであるテーマを担当することになった。


それは、あるパッケージングの設計を行うことと、それに伴い業者の選定することであった。


そのパッケージングは、ある表面処理鋼板を使用しており、厚みのサイズダウンとそれに伴う新工法採用によるコストダウンの相乗効果を狙っていた。


鋼板仕様変更に伴い、私は業者と交渉することになった。


A製鉄、B鋼板という従来取引メーカーとまずは打ち合わせを持つことにした。


どのようにアプローチするのか、当社の資材担当などの聞くと、連絡するのは専門商社であるということであった。


例えば、A製鉄なら、A鉄商事のような関連商社でその製鉄メーカの鋼板を扱うのだ。


さらに、商社に連絡してみると、商社だけではなく、それに伴い一次問屋を伴うところもあった。


このようにして、次第に、この業界の商流を知るようになった。


これら、2社に出した見積は、いずれも値段としては従来価格と変わらないものであった。


それは、サイズダウンしたものは、それだけ圧延しなくてはならないので、その分、価格が上がるというのが理由であった。


次回は、その後の、価格交渉等について書こうと考えている。