金正恩が脱北する日

これから、本を山積みにしようとしている書斎の中の広い机を前にして、椅子にもたれながら綴る読書本の紹介です。


今回紹介する本は、高永竽著、「金正恩が脱北する日」です。


著者は、元韓国国防省北朝鮮分析官だそうです。


金正恩が脱北する日 (扶桑社新書)

金正恩が脱北する日 (扶桑社新書)


タイトルを見て、えっ!そんなことがあるのかと思い、本書を手にしました。


読んでみると、このタイトルのようなことは書かれておらず、米朝会談を経て、北朝鮮としての戦略、米国の戦略、そして日本としてもどのような対応が考えられるかが書かれています。


インテリジェンスの世界にいた人だけあって、様々な状況から、どのようなことが考えられるかを、理路整然に述べており、説得力を持ったものになっています。


本書にも書かれていますが、『北朝鮮は核を放棄するつもりはない』とのこと。


そうなると、米国の軍事オプションがやはり高まることも指摘しています。


最近の北朝鮮に対して、一見、鳴りを潜めているような米国の動きが、実に本書に書かれていることにも符合し、不気味です。


北朝鮮問題に関心を持たれている方ならば、興味深く読むことができる一冊だと思います。