大国の掟

これから、本を山積みにしようとしている書斎の中の広い机を前にして、椅子にもたれながら綴る読書本の紹介です。


今回紹介する本は、佐藤優著、『大国の掟 「歴史×地理」で解きほぐす 』です。


本書は、歴史的思考と地理的思考を掛け合わせて思考することで、混迷を深める国際情勢を読み解くための解説本です。



地域を各章立てにして

第一章 英米を動かす掟─「トランプ現象」と「英国EU離脱」の共通点

第二章 ドイツを動かす掟─「生存圏」から「EU帝国」へ

第三章 ロシアを動かす掟─スターリンプーチンの「ユーラシア主義」

第四章 中東を動かす掟─「サイクス・ピコ協定」から「IS」まで

第五章 中国を動かす掟─「海」と「陸」の二兎を追えるか

で、解説してくれています。

この他、序章として、国際情勢への二つのアプローチをどのようにして行うかが書かれており、最後の終章では、このように「歴史×地理」で考えたときの日本の課題について述べています。


第一章では「トランプ現象」や「英国のEU離脱」がなぜ起こったのかが解き明かされています。読んでみると、なるほどなあ、こういう読み解き方があるんだと感心させられます。


第二章を読むと、今月末の日ロ首脳会談がどういう方向に進むのだろうという興味が湧いてきます。


その他の章でも、今、世界各地で発生していることが、そのような背景があるのかを知ることができます。


歴史的思考と地理的思考を掛け合わせることがいかに大事かという、見方が分かりました。


中学や高校でも、こういう視点を織り交ぜて、ぜひ社会科系の科目を教えてほしいものだと思いました。、