これから、本を山積みにしようとしている書斎の中の広い机を前にして、椅子にもたれながら綴る読書本の紹介です。
今回紹介する本は、博報堂ブランドデザイン執筆者宮沢正憲、『「応援したくなる企業」の時代 マーケティングが通じなくなった生活者とどうつき合うか 』です。
本書はサブタイトルにマーケティングという言葉が入っている通り、マーケティングの本です。
それも、これから必要とされる企業はどういう企業なのを述べています。
「応援したくなる企業」の時代 マーケティングが通じなくなった生活者とどうつき合うか (アスキー新書)
- 作者: 博報堂ブランドデザイン
- 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2011/06/10
- メディア: 新書
- 購入: 3人 クリック: 20回
- この商品を含むブログ (11件) を見る
まず、戦後復興期以降、企業が主導した「正」の時代、それを経てバブル崩壊以降、生活者が主導した「反」の時代だったと述べています。
その両極がやりつくされたいま、日本経済はこれまで経験したことのない「合」の時代をついに迎えようとしているとしています。
その観点に立って、7つのテーマについて、「正」、「反」、そしてこれから求められる「合」について、事例なども交えながら解説しています。
さすが、博報堂の人だなと思ったのが、「to C」から「from C」そして「with C」というのは、上手いなあ。
Cはコンシューマー(消費者のC)ですが、最初は企業から消費者に製品やサービスを提供していたのが、次に消費者側からの要望で企業が提供するようになり、これからは企業と消費者がともに考えて生んでいくことになるということらしい。
これからは、消費者が応援したくなるような企業が生き残り、それは近江商人で有名な「三方よし」に通ずるような企業のようだ。
生活者と同じ目線で一緒になって「しあわせ」を考えていこうという姿勢、これこそが「応援したくなる企業」の姿ということだ。
なにか、坂本光司さんの「日本でいちばん大切にしたい会社」に出来るような会社みたいだなと思いました。
久々のビジネス書でしたが、いろいろな示唆に富む、良い本だったと思います。