大河の一滴

これから、本を山積みにしようとしている書斎の中の広い机を前にして、椅子にもたれながら綴る読書本の紹介です。


今回紹介する本は、五木寛之著、「大河の一滴」です。


本書は、五木寛之のエッセイ集である。


初版が1999年、その文庫版で、ロングセラーになっているようだ。


大河の一滴 (幻冬舎文庫)

大河の一滴 (幻冬舎文庫)


ちょうど、この時期、バブル崩壊阪神・淡路大震災、オウム・サリン事件、神戸連続児童殺傷事件などが起きている。


それらの世相を反映するような形で書かれている部分もあるが、その内容は普遍的なものである。


この世に生を受けたということは、必ず来る死へと歩み始めたことである。


必ず来るものなのに、なぜ日本では自殺という手段で死に急ぐ人がおおいのであろうか、年間自殺者で2万5千人、未遂者も含めると約10万人もの人たちが死に急ごうとしている。


著者は、『人間は生きているだけで、大切なのだ、人生の目的は、生きることなのだ』と説いています。


この本を著しているのが著者60代のとき。


壮年の経験に基づく達観というか、悟り的なものも感じられた本です。


読んでみると、共鳴できる部分が多々あると思います。