これから、本を山積みにしようとしている書斎の中の広い机を前にして、椅子にもたれながら綴る読書本の紹介です。
本書は、五木寛之のエッセイ集である。
初版が1999年、その文庫版で、ロングセラーになっているようだ。
- 作者: 五木寛之
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 1999/03/01
- メディア: 文庫
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ちょうど、この時期、バブル崩壊、阪神・淡路大震災、オウム・サリン事件、神戸連続児童殺傷事件などが起きている。
それらの世相を反映するような形で書かれている部分もあるが、その内容は普遍的なものである。
この世に生を受けたということは、必ず来る死へと歩み始めたことである。
必ず来るものなのに、なぜ日本では自殺という手段で死に急ぐ人がおおいのであろうか、年間自殺者で2万5千人、未遂者も含めると約10万人もの人たちが死に急ごうとしている。
著者は、『人間は生きているだけで、大切なのだ、人生の目的は、生きることなのだ』と説いています。
この本を著しているのが著者60代のとき。
壮年の経験に基づく達観というか、悟り的なものも感じられた本です。
読んでみると、共鳴できる部分が多々あると思います。