好運の条件

これから、本を山積みにしようとしている書斎の中の広い机を前にして、椅子にもたれながら綴る読書本の紹介です。


今回紹介する本は、五木寛之著、「好運の条件 生き抜くヒント!」です。


本書は、「週刊新潮」連載の「生き抜くヒント!」の2014年5/8・15号〜2015年3/5号、4/30号をまとめて新書化したものです。


昔、読んだ著者の小説はなんか尖ったような鋭い文章に感じられましたが、このエッセイを読むと著者も好好爺になったのかなあと感じます。


好運の条件 生き抜くヒント! (新潮新書)

好運の条件 生き抜くヒント! (新潮新書)


自分の老いをきちんと見つめながら、洒脱な文章で楽しませてくれます。


記憶について書かれていたエッセイの中で、「いろんなことを忘れるのは、新しい時代に適応しているからです。なにもかも溜めこもうなどと欲の深いことは考えないほうがいい。」というところは、言い得て妙だなと思いました。


肩張ることもなく、自分の想いを文章にしたためているところが、なかなか味わ深くていいです。


五木寛之ファンにとっては、堪らないエッセイであろうし、年配の方には老いの処世術としてヒントを得ることができる本だと思います。