池上彰のニュースから未来が見える

これから、本を山積みにしようとしている書斎の中の広い机を前にして、椅子にもたれながら綴る読書本の紹介です。


今回紹介する本は、池上彰著、「池上彰のニュースから未来が見える」です。


本書は「週刊文春」の連載コラムの「そこからですか!?」に掲載された文章をまとめられたものです。


最後の部分にも書いてありますが、「今日のニュースは明日の歴史」ということで、新書にするために世界情勢の変化を踏まえて、書き直されています。



とは言っても、本書が上梓されたのが2013年の2年前、今読んでみると、そこからさらに歴史が動いているのが分かります。


この頃は中東は「アラブの春」ということで、アルカイダの流れを受けるイスラム過激派が出てきたところですが、今はISIL(イスラム国)の活動が活発している。


アベノミクスの経済的な視点から、安全保障法案へ流れが変わり、安倍首相の支持率も急落。


等、わずか2年という間に世の中はやはり動いているのだということを感じることができます。


著者自身が取材で体感した印象や考察を盛り込み、お得意のわかりやすい解説となっているので、2年前の歴史を振り返るとこんなことがそう言えばあったね・・ああ、それはこういうことだったのかと理解できると思います。


参考までに、本書の構成は以下の通りです。

第1章 どうなる? アベノミクスと世界経済
第2章 今度こそわかる! 領土問題
第3章 またも政権交代はしたが―日本の課題
第4章 オバマの勝利、アメリカの苦悩
第5章 イスラム原理主義に振り回される世界
第6章 科学技術「正しく知り、正しく恐れよ」

今、読むと著者の言葉通り、「今日のニュースは明日の歴史」を実感できる一冊だと思います。