中小企業の底力

これから、本を山積みにしようとしている書斎の中の広い机を前にして、椅子にもたれながら綴る読書本の紹介です。


今回紹介する本は、中沢孝夫著、「中小企業の底力 成功する「現場」の秘密」です。


 
日本は企業の中で中小企業の占める割合が99.7%、従業員も約7割が属していることは、中小企業診断士試験の受験者ならご存知のことであろう。


本書は、そんな中小企業を一括りにするのではなく、「質」に着目し、「質」が高く固有技術も有する企業がどのような経営を行っているか、また現場ではどのようなことを行い、グローバル化にも対応しているのかを企業取材に基づき、まとめられた本です。


 
この本を読むとわかるのは、「質」の高い中小企業は、「人」を育て人財にしていること、グローバル化に伴い海外進出しているわけではなく、必然的に海外にも事業を展開しているということだろう。 


日々の積み重ねが経験という厚みを増し、ノウハウを蓄積し企業の強みになっている。


だから、簡単には真似ができない優位性もあるということがよく理解できた本です。


そして、有名ではないけれども世界的に優れている企業が数多くあることも知ることができると思います。


やはり日本のものづくりは厚みがあり、そう簡単には世界から追従できないものがあるとことが感じられるし、追従されないためにもさらにその強みを伸ばしていかなくてはと思いました。


製造業や生産系の職場に勤務されている方、製造業をクライアントにもつ中小企業診断士の方、あるいは中小企業診断士試験の受験生の方にお奨めの一冊です。