松下幸之助は泣いている

これから、本を山積みにしようとしている書斎の中の広い机を前にして、椅子にもたれながら綴る読書本の紹介です。


今回紹介する本は、岩谷英昭著、「松下幸之助は泣いている 日本の家電、復活の条件」です。


2011年、パナソニック、シャープ、ソニーと日本を代表する家電3社が赤字を出している。


一方、韓国のサムスン、LGなどは破竹の勢いで伸びている。


松下幸之助は泣いている 日本の家電、復活の条件 (朝日新書)

松下幸之助は泣いている 日本の家電、復活の条件 (朝日新書)


一体、この差はいつからついたものなのだろうか、そして日本の家電メーカーはそれを挽回することができるのだろうか。


本書では、松下幸之助の言葉を引用しながら、状況の説明やその解決の方向性を提言している。


今のような状況になったのは、日本の驕りからだと言うが、先行きをきちんと見抜けなかったことと、間違った方向に走った惰性による勢いで軌道修正ができなかったためなのかなと本書を読んで感じることができました。


著者は、元米国松下電器会長だけあり、家電業界に海外事情にも精通しており、状況分析はなるほどと感心しました。


生産、特に量産物は、やはり海外のEMSに頼らざる得ないのだろうということと、グローバルな視点での地域のニーズを汲み取り、それを反映した製品を出すことが必要であることを改めて感じました。