職場で他人を傷つける人たち

これから、本を山積みにしようとしている書斎の中の広い机を前にして、椅子にもたれながら綴る読書本の紹介です。


今回紹介する本は、香山リカ著、「職場で他人を傷つける人たち」です。


久々の香山リカさんの本です。


この本は、パワーハラスメントに関する本です。現在、香山リカさんは、厚生労働省の「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議」のメンバーどそうで、この問題に対して、有識者の方や担当者の方たちと議論を交わす機会を得ているそうです。



この本を読むと、もともと日本ではパワハラを起こす素地はあったようです。


それでも終身雇用や年功序列の制度があった時には、会社を家族関係になぞらえて大目に見たりするところもあったが、そういう人事制度も影をひそめ、日本の会社のシステムが大きく変わるにつれて、働く人々の姿勢や価値観も大きく変わってきた。


元来、潜在的パワハラが起きやすかったところに、大きな変化が加わり、ついにコップから水があふれるように実際のパワハラが炸裂しているのが昨今の日本の状況だということです。


そんなにパワハラってあるのかと思いますが、増えているそうです。


精神科医でもある香山リカさんの「診察室の実例」等もあり、いろいろな要素が入り混じっているのだなあと感じました。


なかなか働き口がなくなってきた日本、そしてやっと働いても、職場ではこのようなパワハラを受けるんじゃ、ますます日本がシュリンクしてしまうのじゃないかと心配になります。