トヨタ式カイゼンの会計学

これから、本を山積みにしようとしている書斎の中の広い机を前にして、椅子にもたれながら綴る読書本の紹介です。


今回紹介する本は、田中正知著、「トヨタカイゼン会計学」です。


著者は、ものづくり大学名誉教授で、元トヨタ生産調査部部長のトヨタマンです。


この本は、会計に時間の概念を取り入れて、リードタイムを短くし、在庫を減らして、必要なものを必要なときに必要な量だけ供給するというジャスト・イン・タイムが儲けにつながるかを会計的に論じている本です。


トヨタ式 カイゼンの会計学

トヨタ式 カイゼンの会計学


著者は、その概念を「Jコスト」と言っています。


「Jコスト」は時間と金額を掛け合わせた面積で表わされます。


時間の概念を取り入れたというので、時間価値なのかなあと読んでいたら、表現が面積に置き換えられて、考え方としては会計を勉強していない一般の人でも分りやすいのではと思いました。


トヨタ生産方式を実施したときの在庫削減やリードタイムの短縮などが、どのように儲けにつながるか説明できるツールがなかったということから、考えて、この「Jコスト論」に至ったそうです。


非常に面白い考え方なので、製造業などの生産関係の企業とお付き合いしている中小企業診断士の方や技術士の方なども、この本を読まれると参考になることが多いのではないかと思いました。