選択の時代

これから、本を山積みにしようとしている書斎の中の広い机を前にして、椅子にもたれながら綴る読書本の紹介です。


今回紹介する本は、鈴木光司著、「選択の時代」です。


著者は、「リング」「らせん」などのホラー小説の作家でもある鈴木光司氏です。


ATMで引き出し金額の限度が下げられたのは、振り込め詐欺の被害額を押さえるために行われたことや、例えばコンビニエンスストアでは、飲み物を雑誌を別々の袋に入れるのを店員さんが聞いてくるなどの例を挙げ、日本では少数でもクレームが出ない方へ移行する非合理的下方修正を行う傾向があることを述べています。


なぜ、そうなるか・・・、それは日本人が論理的思考を行うような教育を受けることなく、多いものに倣っていれば、仲間外れにされることはないという意識が働く、情緒的判断を行う傾向にあるからだと言っています。


選択の時代 (廣済堂新書)

選択の時代 (廣済堂新書)


著者は、右に倣えではなく、自分が正しいと思うならば、たとえ少数であってもそれを主張できること、すなわちそれを選択できることの重要性を述べています。


先に述べた例は、自分で選択をしているわではないということです。


そして、これらのことについて勝間和代さんと対談している内容が、2つの章で紹介されています。


これは、私も、ログの中では何回か述べていますが、日本人が内向きになっていること、日本の外に出てチャンスを掴もうとする若者が減っていること、また、そうした状態が続くと将来、世界に通じる日本人はいなくなる可能性があることなど述べられています。


自分たちが何を選択していくかは、やはり個人個人できちんと考える必要があると思います。


この本を読むとその必要性を感じることができるはずです。