「看取り」の作法

本が山積みされた書斎の中の本に埋もれそうな机の上のわずかなスペースで綴る読書本の紹介です。


今回紹介する本は、香山リカ著、『「看取り」の作法』です。


著者である香山リカさんは、昨年お父様を亡くされたそうです。


本書は、著者が父の死に際して、その前に起こった数々の精神的重圧や亡くなった後に感じた悔いなどの体験を交えながら、愛する人や親しい人の死を迎えるための心の準備や悲しみの乗り越え方、いうなれば「看取りの作法」について、医師としての知見も交えながらっています。


本の帯には、「本当にこれでよかったのか・・・  そのときが来る前に読んでほしい」と書かれています。


なかなか死というものを真正面にとらえることって難しいと思いますが、人間ならば誰でも迎える死。


それも肉親を介護したり、亡くすことによる精神的なダメージをいかに乗り越えるかは、まだ生を受けている人にとっては大事なことです。


どのように向き合い、どのように受け止めるか・・・、それは人それぞれだけど、それを乗り越えていくためのヒントをこの本では投げかけてくれていると思います。


私自身、今年父親が大病を患い、生死を彷徨う場面もあったので、読みながらしみじみと考えてしまいました。


本書は、「看取りや死別」について考えるための入門書だと思います。