読書本の紹介です。
今回紹介する本は、香山リカ著、「3.11後の心を立て直す」です。
著者の主張では、東日本大震災後、「○か×か」、「白か黒か」のように二者択一を求める傾向が更に強まってきたとのこと。
この二分化思考の傾向は、小泉・竹中内閣の新自由主義改革以後、徐々に広がっていたものが、震災によって一気に噴出したと言っています。
そして、極端な二者択一を求める傾向は、現代人に特有の「心の病理」であるとのこと。
境界性パーソナリティ障害で見られる病的な心のひとつの姿勢にも似通っているらしい。
- 作者: 香山リカ
- 出版社/メーカー: ベストセラーズ
- 発売日: 2011/07/09
- メディア: 新書
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本書は、著者香山リカが東日本大震災で露わになった、日本人のこの病的思考法の実例をつぶさに見て、それぞれの問題点を指摘しています。
全7章の章立てになっていますが、各章のタイトルも二者択一的なつけ方になっています。
《目次》
プロローグ----震災で露わになった二分化思考の弱さ
第1章 復旧か復興か
第2章 自粛か買い占めか
第3章 利己か利他か
第4章 ネットかリアルか
第5章 真か偽か
第6章 個人主義か共同体幻想か
第7章 善意か迷惑か
私自身は、ある極限的状況に置かれたので、中途半端な判断ができないのではと考えていますが、違うのでしょうか。
別に、あれか、これか選ばなくてグレーな状態でいいと思うのですが・・・
著者自身も、この二極化傾向で安易に片方を選択しなkれば、心をメルトダウンするような破局的な事態は避けられるだろうと言っています。
かつては、日本人は中庸を重んじると言われていたような気がしたのですが、それ程変わってしまったのでしょうか。