今回は、技術士第1次試験の基礎科目と適性科目について、自分の学習経験を通して、話したいと思います。
【基礎科目】
基礎科目は、1)設計・計画、2)情報・論理、3)解析、4)材料・化学、5)技術関連の5分野から5題ずつ出題され、各分野毎3問を選択し、解答するようになっています。
1)設計・計画に関するもの(設計理論・システム設計)
この分野は設計理論とシステム設計から成りますが、前者は常識(設計のあり方や検査、製造物責任など)と基礎的な知識(特に語句の知識)を問う問題、後者が解析(論理的理解ができるか)を問う問題と計算しないと答えが出てこない問題が出題されています。
とは言っても、出題パターンが決まっているように思いますので、過去問で、問題のパターンを覚えていけば、3問の解答は可能です。
2)情報・論理に関するもの(アルゴリズム、情報ネットワーク等)
情報ではインターネット関連知識が主体で、ビット計算を要求される問題もあります。また論理はアルゴリズム・統計確率・構文図問題が出ています。
ビット計算や2進数、構文図など出題パターンが決まっていますので、過去問の反復練習で、これらの基礎的な部分をしっかり理解すればそれほど難しくないと思います。
3)解析に関するもの(力学、電磁気学)
微積分などの高等数学や力学に関する知識を問われます。最初、馴染みがなくとっつきにくかったのですが、これも過去問を何題か解くと、解き方のパターンが見えてきます。
苦手な人もいると思いますが、1問解ければいいやぐらいの感覚で取組んでもいいのではないでしょうか。
4)材料・化学・バイオに関するもの(材料特性・バイオテクノロジー等)
基本的には材料、化学、バイオ(というか生物学)のどれか1つを得意分野とし、他の2つも広く浅く知識を仕入れておけば、得点源にすることができると思います。
しかし、私は高校生のとき生物Ⅰしか取っていないので、バイオ関係はメタメタ弱かったです。
山勘も一つの武器になると思います。どこで発揮するかは、あなたの実力次第です。(笑)
5)技術関連(環境、エネルギー、品質管理、技術史等)
出題範囲は広いですが、時勢を反映してか、環境に関する問題は頻出しています。マネジメントでは、リスクマネジメントに関する出題が目につきますので、その辺を押さえておくといいのではないでしょうか。
基礎科目の勉強方法は、過去問に取組み、大凡の出題パターンを体に染み込ませてしまうことだと思います。
【適性科目】
適性科目の問題は、平成19年度の「第一次試験実施大綱」によると「技術士法第四章(技術士等の義務)の規定の遵守に関する適性を問う問題」が択一式で出題されることになっています。
大きくは、出題項目として、1)技術士法、2)技術士の行動・態度、3)倫理要綱・倫理規定、4)事故・事件関連、5)その他 に分類されると思います。
正直言って、常識の範囲での出題ではないかと思います。技術者として、良識ある人ならば、特に勉強しなくても、そこそこの点数は確保できると思います。
ここからは、おまけです。
【専門科目】
専門科目は、20の技術部門の中から1技術部門を選択する。
私の場合は、経営工学部門を専門科目として選択しました。
選択理由は、業務として生産技術等で工場関係の仕事や工程管理等にも携わっていたこともあるのと、中小企業診断士第1次試験の運営管理の生産管理分野とオーバーラップしている部分が多いこともあったからです。。
経営工学分野で言えば、中小企業診断士第1次試験の運営管理の参考書をベースに学習するのも良いのではないでしょうか。
以上で、中小企業診断士及び技術士の第1次試験の概要については終了します。
いずれも、マークシート方式であり、試験の該当分野の知識を求められていることは共通しています。
共通しているなら、分野もオーバーラップしている領域があるならば、この二つの資格の受験も勉強時間を、それぞれ単独で臨むより、もう少し効率的に出来るんじゃないかという発想が、Wライセンスの奨めになっています。
私自身のプロセスから言えば、今回技術士第1次試験の専門科目の選択で述べた理由がまさしく、それに当たります。だから、生産系コンサルタントという枠をここでは嵌めています。
次回からは、中小企業診断士第2次試験の受験の取組み方について、自分なりの考えを述べたいと思います。
その後に、生産系コンサルタント(=経営工学部門)という切り口で、中小企業診断士試験との親和性を述べ、技術士第2次試験の経営工学部門の受験の取り組み方について述べる予定です。