日本の競争戦略

読書本の紹介です。


マイケル・E・ポーター、竹内弘高共著、「日本の競争戦略」です。


この本、読むのは2度目です。最初に読んだのは、出版された年の2000年です。


10年経って、読み返してみても、今の日本は何一つ変わっていないのではないかと思われます。


日本の競争戦略

日本の競争戦略


この本は、バブルが弾ける前の勢いづいていた日本の成功要因について、多くの方が言われていた「官」主導型の経済政策が、実は日本の企業にとってはブレーキになっていると述べています。


むしろ、「官」の保護下に置かれておらず、市場で自由な競争に晒されていた企業の方が、高い利益率を確保し、成功しているとしています。


様々な日本企業の状況について分析を行っており、そこから導き出される論理展開は、不変性を感じます。


日本の企業が、今後競争に生き残っていくためには、経営資源を注入すべき分野を絞り、特化していくことが必要でしょう。


経営とは、「捨てるべきもの、やらないものを決定すること」であることを、この本を読むことで、改めて認識しました。


出版は10年前ですが、内容は決して古くはありません。今の日本に照らし合わせても、ここで分析し、指摘している内容は十分に説得力のある説になっていると私は思います。


今の日本の危機的状況をなんとか打破していきたいと思われているかたには、一読されることをお奨めします。