未来のスケッチ

読書本の紹介です。遠藤功さん著、「未来のスケッチ 経営で大切なことは旭山動物園にぜんぶある」です。


現場力を活かすことが経営の活力の源泉となると現場力に注視されている遠藤功さんの新著です。


今回、取り上げられた現場は旭山動物公園です。


旭山動物公園というと、動物本来の動きを見せる「行動展示」で有名です。この「行動展示」を見せるという構想は、旭山動物公園が今のように盛況ではなく、廃園になるかもしれないというときに、職員たちが自分たちがこうしたい、ありたいと描く動物園を話しあい、それをスケッチというビジュアルしたところからスタートしたらしいです。


未来のスケッチ 経営で大切なことは旭山動物園にぜんぶある

未来のスケッチ 経営で大切なことは旭山動物園にぜんぶある


現存するスケッチは14枚とのこと。この動物園では「命の輝き」を伝えることを理念としています。スケッチは、その理念を具現化するための目標となったのでしょう。


この本では、スケッチという具体的なビジュアルとして描いていたことで、理念や熱意が聞く人を巻き込み、今の姿になるまでが描かれています。


もちろん、現場力の遠藤さんですから、いかに旭山動物公園のオペレーションが素晴らしいかも取り上げられています。それは、仕組みとしてもそうなんですが、その底流に流れるのは、理念がきちんと職員に共有されているということのようです。


見方を変えると、すばらしい現場力にしていくためには、共通の羅針盤となる理念なりが、皆の腹に落ちるものでなくてはならいということでしょう。


動物園という公共施設を取り上げ、一見経営とはかけ離れているのではないかと思われますが、組織目的を共有し、貢献していくということでは変わりがあるわけではありません。


人の想いがいかに大事であるかがわかる一冊だと思います。


是非、読んでみたください。