コストダウンの進め−その5−

前回までは、大手のメーカー等では、どのような考え方でコストダウンする部品やユニットを決めて、どのような方法で皆様方に迫ってくるのかについて述べてきました。これで、相手の手の内が少しはわかってきたので、「敵を知る」ことができたわけです。


今回は、「己を知る」ことを中心にお話していきたいと思います。


まず、その3で述べた部品調達マトリクスのことを覚えていますか、これを使います。
復習にはなりますが、部品調達マトリクスとは、縦軸に、その購入部品、外注品の事業の影響度大小を、横軸にサプライヤーさんの優位性の大小を取りった4つの象限からなるマトリクスのことです。
各象限の名称及び特徴は以下のようでしたね。

1)事業の影響度:小、サプライヤの優位性:小:汎用機構部品系ゾーン
2)事業の影響度:大、サプライヤの優位性:小:汎用デバイス系ゾーン
3)事業の影響度:小、サプライヤの優位性:大:特殊成型品系ゾーン
4)事業の影響度:大、サプライヤーの優位性:大:カスタムデバイス系ゾーン


さて、あなたの会社で取り扱われている製品群は、この4つの象限にそれぞれどの程度の割合で分布しているでしょうか?
売上金額ベースで良いので、それぞれの割合を大凡入れてください。


御社から見た、この4つの象限は、どこの分野に現在御社が事業を注力しているのがわかります。
それぞれの象限の特徴を踏まえて、私の独断で、その会社が注力している取り扱い製品分野で、会社のタイプを次のように名前をつけさせて頂きました。

1)事業の影響度:小、サプライヤの優位性:小:汎用機構部品系ゾーン→凡人(明智光秀
2)事業の影響度:大、サプライヤの優位性:小:汎用デバイス系ゾーン→孤高の人織田信長
3)事業の影響度:小、サプライヤの優位性:大:特殊成型品系ゾーン→職人(豊臣秀吉
4)事業の影響度:大、サプライヤーの優位性:大:カスタムデバイス系ゾーン→天下人(徳川家康


カッコ内は、戦国武将に喩えるとそんな名前かなという感じで、つけてみました。


さぁ、あなたの会社はどのタイプなのでしょうか?


次回も引き続き、このマトリクスを使ったタイプのもう一つの見方と、それぞれのタイプはどうしたら良いのかという今後の事業の力点をどこに置くかについてお話してみたいと思います。