ある元社長さんの講演会

ここのところ、結構講演を聞く機会があるんですが、先日、超優良中小企業の元社長(現相談役)さんのお話しを聞きました。
非常に良いお話であったので、ご紹介したいと思います。


この会社は、ある機械用部品を製造されている会社です。売上高経常利益率が40%以上を創業以来続けていたそうです。さすがに今度の不況は影響を受けた模様で、売上は30%強ダウン、経常利益率も20%強までに落ちたとのこと。落ちても20%以上確保しているんですから、凄いですよね。


この社長、目のつけどころが違うなと思いました。
創業当初は、専業メーカーが作っていたある機械部品を手がけていたのですが、この部品なら勝てると思い、値段も50%ぐらい安く売っていたそうです。
このとき、心がけていたのは、1)使う立場にたつこと→これは必ず相手と打ち合わせて、要望や使い方を確認する、2)納期は指示通り守る→明日と言われれば、明日まで作り、届けていたそうです。


この部品の値段は、創業当時と今も変わらないそうです。ちなみに創業から40年だそうです。ホントに凄いですよね。


それから、ある大手の別な機械部品を手掛けるようになって、その部品でも大手を退け、その部品でもシェアナンバー1になっています。今まで手掛けていないことと、それを作るために、大きな投資をしなくてはならなかったそうですが、元社長(現相談役)は次のようにお話しをされていました。


☆素人でも問題はない→最初は誰でも素人、やらなくては始まらない
☆経営者がやるという強い意志があるかどうか


この会社では、お客様から電話がかかってきて、受話器を持って、「ハイ、○○です」とうところから営業、また、お客様に製品を納めるのも営業(これは、また注文をもらえるようにする)、クレームの対応も大事な営業、とのことです。


売価は下げない、他社にはできない短納期を売りにする、短納期だから注文残がない、とのこと。納期は、他社の倍以上早いそうです。このためには、人と設備が過剰でないとできない、いいムダをつけておかなくてはならない、とおっしゃられていました。


社員の方は、全社意識を持った方が多いそうです。
在庫は300万円を切っているとのこと(年商22億円でですよ)
間接人員は、女子社員が2人ですべてのことをやるそうです。
給料分働かない人は雇わないそうです。


不況の時、どう過ごすかが勝負
人は歳を取るごとに成長しなくてはならない
経営者は数字はデイリーで頭に入れておけ、但し、5年先を考えながら采配を振るう。


この方からは、従業員のことを「うちの子たち」という言葉で語られ、会社のこと、従業員のことを本当に思い、経営をされてきたことがヒシヒシと伝わってきました。


久々に経営者の方の良い話を聞くことができ、貴重な時間を持つことができました。