今流行りの世襲ではないですが・・・

2004年版中小企業白書の中で、事業承継は、「中小企業の世代交代と廃業を巡る問題」として章立てで取上げられている。この当時は、大企業にいたので、中小企業って後継者って簡単に見つからないんだなと感じていたぐらいだった。その後、中規模の中小企業に転職し、実際社長の子息も経営幹部としている会社で勤務すると、そうは簡単に子息に経営を移行できないものだな、と実感できた。社長を取巻く幹部と微妙に会社に対してのアプローチが違う。ある年齢層以上と感覚的な違いがある。特に古株の人たちは、小さい時から知っているので、「○○ちゃん、○○君」って感じで、陰では名前を呼ぶ。子息も社長という父の存在の前では、自分の意見を通すのも遠慮や苦労があるといった感じだった。

前振りが、ちょっと長くなったが、今日紹介する本は、「社長!後継ぎは結局身内がイチバンです」です。著者は、石黒仁司さん。コンサルティング会社である株式会社エム・イー・エルの代表取締役社長で、2代目社長の方である。


社長!後継ぎは 結局 身内がイチバンです

社長!後継ぎは 結局 身内がイチバンです


現在の実務従事の診断先が事業承継の課題も抱えており、ついつい本屋で題名に惹かれて買ってしまいました。ご本人自身もコンサルタントで、会社でも事業承継支援を業務の一つとしているだけあって、事業承継をするときに、どのように進めれば良いのか、どのような点を配慮しなくてはならないのかを、簡潔かつ明瞭に書かれている。
ここで述べられている「身内」は必ずしも子息子女である必要はないとのこと。親族でも構わないし、社員でも構わない。「身内」の意味するところは、会社にとって「いちばん大事なものを共有している」こと、だと述べている。いちばん大事なものとは、企業理念や基本精神のことを指している。

以前、事業承継関係で読んだ本があるので合わせて紹介しておきます。著名は、「誰も語らないほんとうの事業承継―子供に継がせたかったけど…。」です。著者は、瀧本泰行さん。



先に紹介した本は、2代目という承継される側の人物が書いているが、この本は、承継させる側から書いた本です。しかも、子息への事業承継には失敗し、M&Aの道を選択されています。

事業承継の支援情報としては、J-Net21に「事業承継ポータル」があるので、参考になると思います。

http://j-net21.smrj.go.jp/well/shoukei_p/index.html


明日は、夏日になるということなんですが、スカッと晴れてほしいですね。